転職の面接では、「転職そのものに関するあなたの考え」を問われることがあります。
- 転職についてあなたの考えを聞かせて下さい!
- 転職することに関してどうお考えですか?
この質問は「応募者のキャリアに対する考え方」を確認するもので、回答如何で大きく評価が分かれます。
プラス評価を勝ち取るためには、企業の質問意図を十分に理解した回答を準備しておく必要があります。
企業の質問意図、NG/OK回答例を交えて詳しく解説しています。
企業の本音 ~ここが知りたいポイント~
適切な回答を導くため、まずは、企業の質問意図を把握しておきましょう。
質問意図
- 「応募者の考え方」と「当社の方向性」が一致しているかを探っている
- 転職(社会)に対して甘い考えを持っていないかを探っている
企業は、応募者の思考が自社と一致しているかを確認しています。
そのため、転職に対して肯定的・否定的どちらが正解というものはなく、応募企業と同じ方向性であることがカギとなります。
- キャリア形成のためなら転職は積極的に行うべき
- 転職は余程のことがない限り避けるべきで、基本的には同じ会社でキャリアを積み上げていくべき
あなたは①②のどちらですか?といった感じでしょうか。
例えば、「転職を繰り返してでも自分の思い描いているキャリアを実現していくべき」という考えは、時間を掛けてじっくりと人材を育て、長期的な貢献を期待する年功序列的な性格の強い会社とは相反します。
つまり、ポイントは以下のようになります。
内定獲得を最優先に考えるのであれば、方向性の不一致を連想される回答は避けなければならない!
もちろん、自身の考えと合わない会社に入社すると、自分が苦しむことになる可能性があるため、正直に答えるのも間違いではありません。
また、今の世の中に一生安泰の会社は存在しません。逆に、「理想の会社があるはずだ」というのも幻想です。
ゆえに、この事実を理解できていない「甘い考え」が見え隠れする回答もNGとなります。
NG回答例
実際の面接の場でよくある「NG回答」について見ておきましょう。
NG例①
景気が良いとは言えない世の中なので、なるべく転職せずに会社に居続けるべきだと考えます。
NG例②
転職なんて積極的にすべきではないと思います。行動する方がマイナスとなる可能性が高いので...
NG例③
世の中には数えきれないくらいの会社があるので、合わないと感じたら積極的に転職すべきだと考えます。
NG例④
我慢して嫌々働くのは時間の無駄なので、転職して納得できる会社(仕事)を見つけるべきだと考えます。
転職の肯定・否定に正解はないとお伝えしましたが、これら「後ろ向きな理由からの転職否定」や「学生が語りそうな甘い考えでの転職肯定」はNGです。
OK回答例
OK例文から、回答のポイントを探りましょう。
OK例
転職については、基本的に慎重であるべきと考えております。自分のやりたいことができない、社風に合っていないなど、ネガティブな理由での転職なら余計にそう思います。
その理由は、自分に完全に合う職場や仕事は存在しないので、自らがその組織や仕事に適応することが重要だと考えるからです。
今回、私は〇〇という理由で転職することになりましたが、転職はこの1回にしたいと考えています。仮に御社に入社できましたら、じっくりと腰を据えて働いていく覚悟です。
転職への慎重なスタンスが伝わる内容で、社会(仕事)に対して甘い考えがないことも読み取れます。
- 基本的に企業は、「長期に渡って貢献してくれる人」を採用したいと考えている
- 「転職については慎重であるべき」というニュアンスが受け入れられやすい
一般的な企業に関してはこのスタンスで問題ないでしょう。
逆に、比較的新しい会社やベンチャー企業の中には、「自社をステップとして」を前提としているような社風の会社もあります。
この場合は、転職に対して肯定的な内容をあなたのキャリアプランと合わせて語るようにしましょう。
この類いの会社で「一生働きます」などのニュアンスは敬遠されます。