転職の面接で質問されることが多く、必ず対策しておかなければならない質問の一つが「自己PR」です。
この「自己PR」はあなたのウリを企業に伝えるものであり「あなたの価値を高める回答」を示さなくてはなりません。ただ、アピールしたいばかりに話を盛り過ぎたり、信憑性の無い話をしてしまうと逆に価値を下げることになってしまいます。こんな風にあなたの価値を高めるチャンスをふいにしたくはないですよね。
そこで、面接での重要項目である「自己PR」について詳しく解説していきます。
企業側が求めていること、どう回答すべきかを知り、あなたの「自己PR」作りの参考にして下さい。
企業側の本音 ~ここが知りたいポイント~
面接で質問する側の企業は自己PRに何を求めているのでしょうか。
- 客観性のある等身大の自己PRが聞きたい
- PR内容が当社でどう役立てるかを見極めたい
- 長ったらしい自慢話やうぬぼれは聞きたくない
企業側が聞きたいのは「数値等の具体的根拠やエピソードを交えた客観性のあるPR」なんですね。そして、そのPRポイントが当社で活かせるかを判断したいわけです。つまり、「企業が求める能力(資質・考え・仕事の取り組み方)=あなたのPRポイント」がマッチしてはじめて採用を検討されることになります。
逆に、何の根拠もない話はその真偽を疑われることになり、その真偽を確かめるべく突っ込んだ質問で返されます。そこでスムーズに回答できなかったり、具体的なエピソードを語ることができない。そうなればどんな結果になるかは想像できますよね。また、自分本位の自己PR、単なるうぬぼれ、自慢話、仕事に関係のないプライベートな話も論外となります。
あなたの価値を下げるNG回答例
「私の一番のアピールポイントは根気強さがあることです。前職ではその根気強さを活かし、地道に営業活動を続けてまいりました。その結果、徐々に営業成績を上げることに成功し、ノルマを達成し続けることができました」
まず、社会人としてのPRポイントを聞いているのに、学生時代の話をしても意味がありません。転職は社会人経験を持つ中途採用者を求めているのであって、新卒採用ではないことを理解しておきましょう。また、話の内容に関しても「サークルを立ち上げた=リーダーシップがある」と企業側は判断しません。この様な回答は何の根拠もない自分本位の話となり、何の説得力もありません。
二つ目の回答はアピールポイントである「根気強さ」が営業成績にどう活かされているのかが全く分かりませんよね。また、数値による具体的根拠や実際のエピソードが無い為、何がどう凄いのかも伝わりません。あなたはこの文章を読んでどう感じるでしょうか。話に信憑性が無いと感じませんか。そして、大した実績もないんだなと思ってしまいませんか。つまり、これが本当の話であったとしても、それが伝わっていないということですね。その理由は「話に客観性がないから」ということになります。
あなたの価値を高めるOK回答例
この様に根気強さがあるから自分に厳しく目標設定できます。そして、その目標達成に向けて地道に努力を重ねられる。これが私の一番の強みです。」
ここでは営業職を取り上げていますが、PRを裏付けるエピソードや数値を交えて「客観性」を伝えています。そうすることで、話に信憑性を持たせることができ、本当にそういう人なんだと思ってもらえるんですね。仮にその企業の業務が「根気強さ」「忍耐」「目標達成」などを必要とするものであるならば、入社後の活躍に期待しやすくなりますよね。
転職の面接における「自己PR」に重要なのは「話に客観性を持たせて伝えること」となります。
そして、客観性を生み出すポイントが「数値」「具体的エピソード」なんですね。また、回答例の「部署内平均70件のところ、自分に1日100件~」の様に「比較」を使うことでその価値を高めることもできます。更に「部署内No.1」などの誰が聞いても分かり易い数値実績があれば話に盛り込んでも良いでしょう。
自己PRは面接において聞かれる可能性が極めて高い質問ですから、きっちりと対策しておけばあなたの価値を高めることに繋がります。また、「長所は?」「誰にも負けない点は?」など様々な質問にも応用できる凡庸性の高いものです。
誰しもが必ず何かアピールすべきところを持っているはずです。
過去の業務を振り返って意地でも絞り出して答えを準備しましょう。