「読んでもらえない = 選考のスタートラインにすら立てていない」
昨今、採用過程の第一段階として書類選考を取り入れている企業が多くなっています。
なぜ、企業は書類選考を実施するのでしょうか? それは、会う(面接する)価値の無い人間を取り除くためです。少し言葉は悪いですが、これが書類選考を実施する理由です。
では、「会う価値の無い人間」とはどういう人を指すのでしょうか?
例えば、「企業が求める人材とかけ離れている」「経験・スキル不足」などが考えられます。ただ、これが原因で不採用となるのは仕方がありません。企業が求める人材とマッチしていないということであり、選考されて弾かれたということです。
逆に、条件を満たしているにも関わらず不採用となるケースがあります。それが、「読んでもらえない書類」を作成している場合なんですね。
つまり、あなたの能力や書類の内容云々ではなく、その前の段階で不採用となってしまっているということです。そう、そこには「選考対象にすらなっていない」という悲しい現実があるのです。
ここでは、書類作成の第一段階として、どんな書類が読んでもらえないのかをお伝えします。あなたの作成した書類に問題はないか、照らし合わせて確認してみて下さい。
ビジネスマナーがなっていない文書
まず、「応募書類は全て目を通してもらえる」という認識は捨てましょう。採用担当者は相当数の書類に目を通す必要があるので、一つ一つ丁寧にという時間はありません。事実、パッと見やざっと読み流しただけで不採用にするケースが存在します。
その代表例が「ビジネスマナーがなっていない書類」ということになります。
- 書類に汚れがある
- 書類にシワがある
- 文字が汚い、走り書き
- 履歴書の写真がマナー違反
書類が綺麗、読みやすい字で書かれている、規定通りの写真が貼られている。これって、社会人として当たり前に守るべきビジネスマナーですよね。
この転職という大事な局面において、当たり前のビジネスマナーも守れない人は「仕事も適当なんではないか」と思われてしまいます。ですから、それが欠如している書類は一発アウトとなります。
応募書類を送付する際はこの最低限のビジネスマナーが守られているかを確認しましょう。もし、字を書くのが苦手であれば、デジタルで対応しましょう。履歴書が手書きか、印刷か、で合否判定されることはないので安心して下さい。
また、書類作成後に汚れやシワが付いてしまった時は、面倒ですが再作成しましょう。絶対にここを疎かにしてはいけません。転職では「まぁ大丈夫だろう」は命取りとなります。
読む気が失せる相手を不快にさせる文書
読み手の立場を無視した文書になっていないかも注意が必要で、読む気が失せる文書や読むのが面倒だと思わせる文書も読まれません。つまり、「相手を不快にさせない文書を書く力」がビジネスパーソンとして求められるんですね。
下記に当てはまる文書は避けなければなりません。
- 誤字・脱字が多い
- ボリューム過多
- ボリューム過少
- 専門用語の羅列
- 守秘義務違反
まず、誤字・脱字が多いと、文書能力が低いと判断されて評価を落とす可能性があります。また、重要書類の見直しもしない人なのかと判断され、大雑把で慎重さに欠ける人間だと評価されることもあります。
ボリュームに関しても注意が必要で、小さい文字でびっしりと書かれたものや枚数が多すぎる職務経歴書は読む気を失わせることになります。逆に、空白が多くてスカスカの履歴書や内容の薄い職務経歴書も本気度を疑われる要因になってしまいます。
書類に関しては「誤字・脱字」が無いことが前提で「適切なボリューム」を心掛けましょう。履歴書や職務経歴書で全てを伝えようとしないことです。あくまで大切な要点を伝えることに注視し、会って聞いてみたいと思わせる内容にすることが大切です。
また、専門用語の羅列や以前の職場固有の言葉などにも注意が必要です。内容が正確に伝わらなければ何の意味も持ちませんし、あなたの経験が正確に伝わりません。ここは、誰にでも分かる言葉を使って書くことを心掛けましょう。特に異業種・異職種への転職の際には充分に注意しましょう。
最後に守秘義務についてですが、手掛けた業務や実績を具体的にアピールしたいばかりに、社外秘の情報や顧客名などを詳細に記述する行為はNGとなるので注意しましょう。より良くアピールすることは大切ですが、モラルを守って記述することが大切です。
<採用担当者の本音>
片手間に作成したか、丁寧に考えて作成したかは、書面全体から伝わります。つまり、「手抜きした書類は一目で分かる」ということです。キャリアが優れていても、書類がいいかげんな人に魅力は感じません。逆に、スキル不足でも書類から真摯な姿勢や熱意が伝わる人は会ってみたいと思いますね。
本気の転職
転職において、履歴書や職務経歴書は書類選考を通過する為だけのもので、たかが書類と手を抜きがちになってしまうものです。ただ、採用過程において重要な意味を持つことは間違いありませんから、「読まれる書類」、「読み手に優しい書類」を意識して全力で作成しましょう。
それが転職の最初の関門、書類選考の通過確率を高める唯一の方法です。