転職を有利に進めたいが為に「資格」に注目することがあると思いますが、基本的にそんな資格は存在しないと認識しておきましょう(医療系の薬剤師やMR、建築系の建築士に代表される、資格を持っていないとその業務に就くことができない資格は別です)。資格を取得する為に「頑張ったんだね」を評価されるのは新卒採用くらいです。
なぜかというと、中途採用を行う企業は転職者に「可能性」を求めているのではなく「即戦力」を求めているからです。つまりは「資格を持っていてやってくれそうな人」を求めているのではなく、「実務経験を持った具体的に業務ができる人」を求めているということです。そして「資格=その業務ができる」は成立しないので、資格を持っているから採用とはならないわけです。
上記で取り上げた様な「働く上で必要な資格」や「応募に必要資格を設定している企業(例えば経理職で日商簿記2級等)」も実際にはあります。ただ、それはあくまで応募の最低条件であって、その資格があれば有利というわけではありません。そこには当然、実務経験と資格を持った強力な求職者(ライバル)がいるからです。
ネット上では資格取得商材を扱う会社などが「この資格は転職に有利」という謳い文句で集客していますが、あくまでも商売でありお金儲けの為です。もしそんな資格が本当にあれば、間違いなく知らない人がいないくらい話題になっています。そして誰もがその資格を取得しているはずです。でも、そんな現状はどこにもありませんよね。
つまり、専門的な職種で資格が必須条件の仕事でない限り、転職を有利にするという目的で資格を取得する価値は限りなく低いです。その時間と意欲があるのなら、自己分析、企業研究、応募書類、面接対策に力を入れる方があなたの価値を高めることに繋がります。企業は「資格」を採用するのではなく、あなたという「人」を採用するんです。最優先でやるべきことは、あなたの価値を高めそれを上手く伝えることに全力を注ぐことです。
ただ、興味のある仕事に少しでも役に立つことを学び、それを資格で証明することは全くもって素晴らしいことです。それ自体には価値のあることですから、その志は持ち続けて下さい。