「明確なキャリアビジョンが強力なライバルを打ち倒す!」
転職では「あなたが何ができるか(CAN)」が重要で、過去の経験や能力(スキル)を深く探られます。それが企業の求めるレベルに達して初めて「内定」へと繋がります。ただ、それと同じくらい重要なのが「あなたのこれからのビジョン(WILL)」なんですね。
その理由は、採用側が「長きに渡って貢献してくれるだろう人物」を採用したいと考えているからです。つまり、「自社に入社して何がしたいのか?」「将来的にどうなって貢献してくれるのか?」にも注目しているんですね。
ここでは、そんな「明確なキャリアビジョン(WILL)」が上手く活かされた転職成功事例をご紹介します。
これまで広報職として勤務してきたOさん(20代女性)から、「営業職に転職したい」という相談を受けました。それは、社外の人たちと積極的に関わり、「数字」という仕事の成果が明確に見える世界にチャレンジしたいとの理由からです。そこで、Oさんの具体的な思考に合う業種の求人をご紹介。営業経験はないものの、広報職として重ねてきた「折衝の経験」をアピールする戦略を立て選考に臨まれました。
ただ、その求人の選考には強力なライバルが存在しました。同業界での営業経験を持ち、優れた実績を挙げてきたPさんという男性です。Pさんはこれまでの営業手法とノウハウを活かし、即戦力として期待できる人物でした。業界・職種未経験のOさんは明らかに不利です。ただ、結果はOさんが内定を獲得、Pさんは不採用。広報職としてのキャリアを捨ててでも営業に挑戦するに至った経緯、今後のビジョンをしっかりと伝えたことで高い評価を得た結果でした。
後日、採用担当者に「経験者のPさんでなく、未経験者のOさんを採用した理由」を問うた時に返ってきた答えがこれです。
「お二人の”将来”を想像した結果です。Pさんは入社後すぐに成果を挙げてくれるでしょう。逆にOさんは成果を挙げるまで時間がかかるかもしれない。でも、3年、5年後の姿を想像してみると、Oさんの方が格段に成長を遂げている。そんな可能性を感じました。更に、Oさんが成長していくプロセスは、他のスタッフにもプラスの刺激を与えてくれると期待しています。」
聞くところによると、Pさんは「私には実績とスキルがある。御社ではどういったポジションを用意していただけるのか」というスタンスで、「入社したらこんなことに挑戦したい」という意識が欠けていたとのこと。つまり「充分なCAN」はあるけれど、「ビジョン(こうしたい、こうなりたい)WILL」がなかった。その結果、すでに完成されていて、これ以上の伸びしろが少ないと判断されたようです。
この事例は、未経験職への転職を成功させる為には何が重要かをよく表しています。
- 前職の経験を未経験職でも活かせることを如何にアピールするか
- 明確なキャリアビジョンを持っているか
未経験であることは、経験者に比べて「CANが劣る(ない)」というハンデを背負っています。つまり、経験者を上回る「可能性」を示さずして内定を採ることはできません。そこで重要なのが「可能性」を採用側に伝える上記の2つの要素なんですね。
「CANはあるけど、WILLがない」こんなライバルなら勝てます!
「CANがあって、WILLもある」こんな強力なライバルも存在します。
応募企業が「未経験可」であったとしても、こんなライバル達との内定獲得争いなわけです。内定獲得は容易でないことが想像できますよね。そんな状況下で「CNAがない、WILLもない」が招く結果は言わずとも分かりますよね。
この争いを勝ち抜く為には、上記の重要ポイントを意識して活動に臨むことです。